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粘菌は菌類じゃない

茨30話へのツッコみ。
ツッコんだ気になってたけどツイッターで触れてただけだった。
途中で早苗さんが「菌は発酵させたり、寄生したり、迷路を解いたりするのがいる」って喋るんだけど、
この迷路を解く菌とやらは間違いなく粘菌(変形菌)のことでしょう。

ここでタイトルの通りなんだけど、粘菌は菌(真菌)じゃない。
どういうことかと言いますと、
粘菌は所謂カビやキノコとは全く分類が異なる生物で、
アメーボゾア(Amoebozoa)に属するアメーバと類縁な生物なんです。
ついでに言えば細菌も菌(真菌)じゃない。
というわけなので、これを
「発酵させる菌や寄生する菌と同じ菌として紹介してしまう」のは思いっきり間違ってるんです。

分かりやすく言いますと
ネコには人間に飼いならされ家畜として繁栄しているイエネコや、
海岸に住んで、空を飛び魚を食べるウミネコがいます
と紹介するくらいのぶっ飛びっぷりなのです。
実際は真菌(酵母たち)と粘菌では、ネコとウミネコ以上に生物的分類では離れてます。

他の感想ブログなんかを見ると
実際これで、粘菌の神様が出るかも!?と言った反応があるし、
こういうのは勘弁してほしいですね・・・。

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次に紺での早苗さんの話。発酵繋がりで語ります。
クラピとの会話で「妖精は自然の象徴だから、妖精が酸素を生んでいる?」みたいなこと言い出すんだけど、
自然と酸素は関係ないよ!!勿論生物と酸素も関係ない。
生物にとって必要なのは酸素じゃなくて水。液体の水です。
発酵の話ですが、発酵というのは酸素を使わない呼吸をすることですので、
酸素が無くても生きていける生物はごまんといますが、水がなくて生きていけるのはいないです。
そしてクラウンピッピのいる所に液体の水らしきものは一切合切見当たらない。

もしも酸素があるのが、「妖精が自然の権化だから」と理由をつけるのであれば、
液体の水のほうがずっと「生物のいる環境・自然」を考える上で重要だから、
酸素と一緒に水も必要だった。
それだったらいくらでもその理由で納得できた。

酸素=自然といわれてしまうと、じゃあもうその「自然」とやらは一体何を指してるの?
漠然と表現された自然という言葉を明確にしていったら誤りにぶち当たるわけだけど、
それを回避できる「自然」とやらは一体どういう意味?ってなる。

まぁ好意的に解釈するんであれば、どっちも喋ったのは早苗さんなので
早苗さんがなんかテキトーなこと喋ってるでいいんだけど、
見てる側の人にそれを鵜呑みにしちゃう人が出てくるから困るんだよね。
ネタをネタと、って言ってもネタとわからない人がいるから成りすましやデマが広がるんじゃん?
熱膨張。

最近だとマンボウデマってのあったよね。
古いものだと「ウサギは寂しいと死ぬ」っていうデマも。
あれは取り返しつかない所まで広がって、もう撤回不可能でしょ。
こうやって自然=酸素だとか、菌とついてりゃ全部同じ菌類に纏めていいでしょみたいなのが広がるのも
困る。

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No title

神主本当は理系じゃないと思う
正確には、理系に知識の偏った文系脳だと思う
ねじれ状態

No title

茨華仙と月関連の設定に顕著ですが宗教・民俗学の知識ほどには生物化学や物理学には詳しくない状態で「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」の法則に乗っ取り魔法と科学を上手くミックスしようとしているものの、料理に失敗している感じはしますね。
前の記事で触れておられましたが、スチームパンクのように外の世界では実現に至らず空想で終わった、実現したもののすでに廃れた技術の再活用などで科学ネタを東方に持ち込むのは決して違和感がない気がします。
しかし幻想郷の成り立ちやそこで起きる事象、東方キャラの能力などを公式側が外の世界の常識に基づき科学的に説明しようとするのはどうしても無理が生じてしまいますし、矛盾なく説明できたとしてもそれはもうファンタジーではなくなり本来持っていた魅力を失ってしまうのではという不安を感じます。
SFチックな月の都の技術などが例ですが、科学的に説明がつくものならそれはもう畏れるべき不思議なものではなく、そう遠くないうちに人間に手が届くものにまで下がってきてしまう気がするのですが。

話が脱線して申し訳ありません。とりあえず二転三転する諸々の展開に関しても思うのですが、せっかく魅力的な作品なのだからもう少し遂行して練りこんで設定は語ってほしいと思います。

No title

確かに現在の分類では粘菌は菌類に含みませんが,伝統的な五界説では菌類に含まれるので一概に間違いとは言えないでしょう。
五界説自体は古いものですが,今でも生物の教科書では五界説を元に生物の分類を教えています。

No title

> 前の記事で触れておられましたが、スチームパンクのように外の世界では実現に至らず空想で終わった、実現したもののすでに廃れた技術の再活用などで科学ネタを東方に持ち込むのは決して違和感がない気がします。

夢の残骸を拾い上げてって言いますと、
お空の核融合炉ネタがまさしくそうなんだと思うんですよね。
でも核融合炉は近々実現の気配がありますけど。
超音速滑走体とかも面白そうなのに~。

> しかし幻想郷の成り立ちやそこで起きる事象、東方キャラの能力などを公式側が外の世界の常識に基づき科学的に説明しようとするのはどうしても無理が生じてしまいますし、矛盾なく説明できたとしてもそれはもうファンタジーではなくなり本来持っていた魅力を失ってしまうのではという不安を感じます。

ですね~。というか元々外の世界とは裏返しっつってんだから外の世界の理論で説明する必要ないと思うんだけども。
なんたら理論とか数式~って言うけど結局大事な部分は忘れられた妖力ってなりますしね。
なんで神様がロープウェイなんだろうとか。
外のエネルギーに頼ってるって言う割に、エネルギー保存の法則もクソもないような、
不老不死だの瞬時に回復だの魔法の力だのあるじゃん、何でそいつら使わないの?って。
食料事情とかなんとか言ったって、蓬莱人とかいう無限お肉生産機があんだからそれ利用しろやとも思うし。
蓬莱人一人いれば幻想郷の食料事情全部解決するだろ。

> 話が脱線して申し訳ありません。とりあえず二転三転する諸々の展開に関しても思うのですが、せっかく魅力的な作品なのだからもう少し遂行して練りこんで設定は語ってほしいと思います。

なんかとりあえずこのワードを使ってみたかっただけなんじゃみたいな所ありますよね。
吉野家コピペ的に、「つゆだくって言いたいだけちゃうんかと」って。

No title

> 確かに現在の分類では粘菌は菌類に含みませんが,伝統的な五界説では菌類に含まれるので一概に間違いとは言えないでしょう。

正直、科学の中に伝統ってあっちゃいけないと思います。
伝統的なものを研究し、科学とするのはありますが、
旧式の学を伝統と言って間違っていないとするのは問題でしょう。
むしろ科学は「巨人の肩に立つ」の通り、
今までの過去、歴史、伝統をより正確に正しい形にしながら積み重ね
一歩一歩進み行くものですから、伝統は打ち破るものと言えますね。

> 五界説自体は古いものですが,今でも生物の教科書では五界説を元に生物の分類を教えています。

教えてるって話しちゃうと、円周率は3.14で「間違ってない」ことになってしまうので・・・。
間違いであっても円周率の概念は小学生のうちでは難しいから、あえて簡単にしたものを教えていて、
だからこそ後々になってちゃんとπを教えますからね。間違いは正す。

五界説は簡単だからこそ教育に組み込まれていますが、
それを間違ってないと言うのはちょっと無理があると思いますね。
生物の分類自体まだ荒波の中ではありますが、それでも変形菌が真菌に戻ることはまずありえないでしょう。
「間違っていなかった時期があった」ならわかりますけどね。

>ならされ家畜として繁栄しているイエネコや、海岸に住んで、空を飛び魚を食べるウミネコがいます」

東方の世界観なら幻想郷内に海ができたらそこらに生息してそう。空を飛ぶ海猫(非鳥)

Re: タイトルなし

> >ならされ家畜として繁栄しているイエネコや、海岸に住んで、空を飛び魚を食べるウミネコがいます」
>
> 東方の世界観なら幻想郷内に海ができたらそこらに生息してそう。空を飛ぶ海猫(非鳥)

妖怪:海猫(かいびょう) みたいな