易書の妖怪が「大罪」である理由と謎を考える
まず一つ昨日見落としていた霊夢の謎。なぜ本を焼いたのか。
「発動条件が揃うと冥界との扉が開く危険な本」なので焼いた。・・・ん?
既に妖の時に冥界との結界に穴が開き、それが今も修復されずに開いたままであるはずではなかったか?
少なくとも史記の頃には「行き来が容易になっている」と書かれており、(P146)
阿求曰く、「幽霊がこの世にも来るようになっている。賢い妖怪のすることなので何か目的あるんだろう」(P51)
既に行き来できる状態になっていおり、人が冥界にいく事も、幽霊が現世に来ることも行われている。
それにも関わらず、本に対しては「冥界との扉が開く危険な本」として処分。
もう扉開きっぱなしじゃないの?どういうことなのか誰か教えてくれ。
あと、冥界は「閻魔の裁きを受けた後、罪のない幽霊が転生を待つ場所」ともある。(P145)
易書妖怪本人は「あの世」としか言ってないが、霊夢曰く「あの本は冥界と繋がる」、ということであれば
易書の妖怪は冥界から復活したと考えるのが自然だろう。
よっしゃ!易書の妖怪はもう既に閻魔様から無罪だということが確定してる!
幻想卿のルール的には大罪だが、絶対的な、そして過去の行いを見れる閻魔様の基準で冥界に送られた彼は
無罪だということだ。
多分現在は冥界で幽霊やってると思うので、幽々子の管轄ということになるのだろうが、
幽々子的にはどうなのかっていうのは気になる。
--疑問ここまで--
頂いたコメントでは、
1.彼がそれを触れ回った時、人類の数が減ってしまうから。人類がいなくなるから。
2.彼がそれを触れ回った時、「里人側」が減ってしまうから。「里人側」がいなくなるから。
という二種類を頂いた。(「人間側」ではなく「里人側」です)
1.彼がそれを触れ回った時、人類の数が減ってしまうから。人類がいなくなるから。
これについては、仙人になることは認められており、
里の人間全てが仙人になってしまった場合でも無問題なのだと思われる。
仙人は成るのが難しいから良いという話もあったが、
易書の方法も
「まず何か人に見せびらかしたくなる技術を自分で編み出し、本にする」
「それを他人が読み、自分のものとして実行してもらわなければならない」
「嫉妬の心にて復活をするが、嫉妬の心を制御しなければならない」
というやり口なので、そんな一般人でもホイホイ成れるようなものではないと思うしムラサのこともあるので、
この1については違うだろう。
2.彼がそれを触れ回った時、「里人側」が減ってしまうから。「里人側」がいなくなるから。
これは先ほどの1よりもしっかり当てはまる。
他の方のブログを拝見し得たことなのだが、
「人間であるという意思が人間であることの最も重要なこと」という妹紅に対する神主の話があり、
それでいけば、仙人らは里人側という意思を貫けばOK、易書妖怪は意思が妖怪側になったのでNGということになる。
しかし、「彼がそれを触れ回った際」を想定して考えるのは設定と矛盾が生じる。ムラサがいる為。
舟幽霊への成り方はこともあろうに阿求が書き記し公表している。「溺れ死に、未練で現世に残る」
易書の妖怪が妖怪への成り方を周囲に教えたとしても、もう既に舟幽霊になる情報が公開情報である。
なので、妖怪への成り方を里人に教えることは、問題点ではない。問題なら口授焼かなきゃ・・・。
というわけで、妖怪に成れる情報そのものは有害ではない。
害を未然に防ぐといった目的ではやっていないということがここまでの話である。
私なりの結論として
3.今現在「妖怪側」が増え、「里人側」が減ったから。
2の里人側妖怪側のスタンスに加え、易書は実際に妖怪側に「なってしまった」から粛清された。
成ったことが問題なだけでそれ以外は特に関係がない。
ムラサは口授にて「今でも人を選んで水難事故を起こしている」「人間を沈めるのは仲間を増やすことに繋がるのだ」とある(P79)
この場合はムラサは粛清対象ではないが、ムラサの手で舟幽霊になった里人は粛清対象になるのだろう。
●易書妖怪の勘違いと構図を考える
易書妖怪のセリフ、「ここまでくれば他に人はいない 俺を自由にしてくれないか」「妖怪巫女」「ばかな(以下略」
これらからは、易書妖怪は霊夢を、「表向きでは人の味方」「人がいない所でなら妖怪の味方」と思ったのだと思われる。
つまり、易書妖怪は「里人側」と「妖怪側」の二つの派閥しか考えておらず、表に対して裏しか考えていない。
実際はどうかというと霊夢は天秤そのものではないだろうか。「里人側」「妖怪側」そして「天秤役」の三つの派閥がある。
天秤役の仕事は、バランスを釣り合わせること。
放っておいても妖怪側のほうが重くなる力関係なので、常に妖怪を退治し、妖怪側を軽くするように勤めているし、
異変を起こすのはほぼ常に妖怪、妖怪が人を襲うようにできてるので、その時にも退治して妖怪側を軽くするということだろう。
まずここでの霊夢の立ち位置は、一見強い妖怪を縮小する里人の味方である。
常に妖怪を縮小しているのだから活動比率で言えば9割以上が里人側になるように動いているだろう。
しかし、妖怪側が軽くなった際には重くなるようにもしている。(吸血鬼異変。妖怪が弱くならないように人を襲えるように調整した。)
今回のように里人側から違反者が出ればそれを取り締まりもする。
これだけで言えば霊夢は明確に中立の立場である。表向きは里人の味方であるが、裏では中立である。
易書妖怪はこの中立の姿勢を見て、「妖怪にも加担する妖怪巫女」だと思ったのだと思われる。
しかし、さらにその裏がある。幻想卿は妖怪の為の楽園であるということ。
どちら側にバランスが崩れたとしても妖怪は死滅するが、里人側が重くなっても人間は死滅はしない。
幻想卿を超えた大きな世界で言えば、圧倒的に人類のほうが強く妖怪が敵うわけがないとされている(史記P154)
大きな世界の中での霊夢の立場は、放っておいても勝手に死ぬような妖怪を生かす為に、全力を注ぐ妖怪の味方ということになる。
口授では生物の絶滅の話があったが、大きな世界では妖怪は保護区に収容され天秤役に守られている弱者である。
ここまでで言えば霊夢は妖怪の味方なのだが、大きな世界で無慈悲に消滅させられていく妖怪たちを保護しているのは
幻想卿で里人に加担し平等を保つことを大きくしたものであると言えなくもない
圧倒的弱者である妖怪と人間を平等にする為に頑張っている巫女として結果的に妖怪側に加担してるだけ。
霊夢の立場は
1.幻想卿内での妖怪を退治する、里人の味方の顔(幻想卿内での里人VS妖怪)
2.その裏に、幻想卿を存続させる為ならどちらにも加担する中立の顔(幻想卿内)
3.さらにその裏に、妖怪に全力で加担し、妖怪保護区を維持する妖怪の味方、若しくは中立の、本当の顔(外の世界を含めた、人類VS妖怪)
の3つがあるということで自分の中では結論付けたい。
多分3つ目は霊夢本人でもわかっていない。霊夢は外に出たことがないし外の世界も知らないらしいので。
里人の味方であるとするのは妖怪を保護する為、幻想卿を保護する為以外に何があるだろうか。
幻想卿守って妖怪に利益あることは散々言われてるが、里人に何の利益があるのかはよくわからない。
●里人ってなんだろ
里人ってすごく特別な役割を持たされているのではという話。
今回のように、里から人が妖怪になるのはNGだが部外者はどうしようが良いらしい。
そして外から人を攫ってくることができるにも関わらず里の中の人を襲ってはいけないルール。
里人が半分食われても外から補充すればいいじゃん?というわけにはいかないらしい。
里人と人間はイコールではなく、自由身分の人間と里人がいるということか。
咲夜はどう見ても妖怪側だと思うけどそれは外の人だからOK?
人間であっても妖怪側になることは自由だし、逆に妖怪が人間側になることも自由なのだろうか?
里人のみ常に人間側でなければならないという制約がある?
若しくは生まれた時、幻想卿に来た時にどちら側かの誓いを立てさせられ
後々の変更は許されない、とかそんなんだろうか?
今霊夢の所にいる針妙丸はどっち側?霊夢は一応人間側、咲夜は一応妖怪側として考えた時
輝針城EDで咲夜が針妙丸に寝返ること、魔理沙が正邪の軍団に就いたことは問題ないのか?
里人のみ里人側を続けなければならないだけで、それ以外の人間や妖怪は、どう身分を変えようが自由?